一夜漬けでの英単語の覚え方!脳科学的に効果的な暗記方法
中学生や高校生、大学生だと
英語の定期テストがあるので、
一夜漬けで英単語を覚えたい
ということがあると思います。
また、英検やTOEICテスト前日に
できるだけ英単語を覚えたい方も
いるのではないでしょうか?
僕も学生時代は、テストのために
一夜漬けで英単語を必死に覚えた
ことがあります。
当時は脳科学を知らなかったので
英単語を覚えるのに苦労しましたが、
脳の特性を知れば一夜漬けで英単語を
即暗記することも可能です。
そこで、ここでは一夜漬けで英単語を
暗記できる脳科学的に効果的な覚え方
について解説します。
目次
一夜漬けでの覚え方の前に
一夜漬けで覚えることが難しいのは
脳の特性に沿っていないからですが、
不可能という訳ではありません。
よって、一夜漬けで覚えるために
まずは脳の特性について知ることで、
どのようにしたら一夜漬けで英単語が
覚えられるのか?答えが見えてきます。
そこで、一夜漬けでの覚え方の前に、
一夜漬けで覚えることが難しい理由を
脳科学の観点から解説します。
一夜漬けが難しい理由
以下は、心理学者のヘルマン・
エビングハウスにより発見された
エビングハウスの忘却曲線で、
人間の脳が学習したことを忘れる
しくみを曲線で表しています。
この曲線より学習して覚えたことは、
20分後に42%、
1時間後に56%、
1日後には74%
忘れてしまうことが分かります。
脳は全ての情報を記憶すると
5分でパンクしてしまうので、
脳が不要だと判断した情報は
どんどん削除してしまいます。
また、嫌な出来事も全て完全に
記憶して一生忘れられないと、
生活するのに支障をきたすため
進化の過程で脳は忘れるように
作られたという説もあります。
記憶には繰り返しが必要?
脳に新しい情報を記憶させるには、
1ヶ月に平均7回(7日)繰り返し
インプットする必要があります。
よって、英単語を1日に何回も見て
覚えようとしても難しいのです。
これらが、一夜漬けで英単語を
覚えることが難しい理由ですが、
一夜漬けで英単語を暗記することが
可能な状況もあります。
一夜漬けが可能な状況とは
ここまでに解説してきた通り、
一夜漬けで長期記憶にするのは
脳の特性から難しいのですが、
明日のテストを乗り切るなど、
一時的なら一夜漬けで対策する
ことは可能です。
それは、脳内には入ってきた情報を
記憶するか、削除するか決めている
海馬(かいば)という部位があり、
海馬は脳に入ってきた新しい情報を
最大24時間は保存しているので、
上手くインプットすれば翌日までは
覚えている可能性があるからです。
それでは、どのようにしたら
学習した内容を重要だと判断し、
一夜漬けで瞬間暗記できるのか?
一夜漬けでの英単語の覚え方を
以下で解説していきます。
一夜漬けでの英単語の覚え方
以下の6つのポイントを押さえると、
最速で暗記でき、翌日まで覚えている
英単語の数を増やすことができます。
短時間で簡単にでき、天才でなくても
一夜漬けで英単語を覚えることが可能な
最強の方法なのでぜひ試してください。
複数の情報を組み合せる
脳は複数の情報を関連づけて
入力すると記憶しやすいので、
似た意味を持つ英単語や
関連性のある英単語をまとめて
インプットするようにすると、
一夜漬けで覚えやすくなります。
例えば、英単語帳は関連性のない
英単語がランダムに並んでいるので、
覚えなければならない範囲の英単語を
できるだけ関連性のある英単語ごとに
グループ分けしていきます。
似た意味を持つ英単語とは、
以下のようなものです。
class
lesson
course
lecture
これらは「授業」や「講義」と
似ている意味を持っていますが、
このような似た意味の英単語を
まとめると覚えやすくなります。
また、関連性のある英単語とは、
以下のようなものです。
cat
dog
pig「豚」
wolf「狼」
bear「熊」
lion「ライオン」
tiger「虎」
これらは全て動物を表しますが、
このように関連性のある英単語を
まとめても覚えやすくなります。
英単語だけで覚える場合は、
似た意味を持っている英単語や
関連性のある英単語をまとめる
という覚え方がお勧めです。
そして、この時にノートに書くと、
左脳と右脳がバランスよく使われて
より英単語を覚えやすくなります。
これは、書くという作業をすることで、
右脳と左脳の間で情報の伝達がされて
右脳と左脳を繋ぐ脳梁(のうりょう)
という部位が使われるからです。
声に出しても脳梁が使われるので、
音読すると黙読の時と比べて学習
効果が5倍から10倍になるため、
書いた後その英単語を音読すると
さらに記憶するのに効果的です。
ただ、学校のテストなどで、
教科書にその英単語が使われた
英文が載っている場合は、
英単語が使われている英文とセットで
覚えるとさらに記憶しやすくなります。
これは、英単語と意味だけでなく、
色々な情報を関連づけてインプット
できるからです。
さらに、英文も1文だけでなく、
物語であればストーリーと英単語を
関連づけてインプットできるので、
一夜漬けでも覚えやすくなります。
感情と一緒にインプット
海馬は、強い感情とセットで
入ってきた情報を需要だと判断し、
1回でも記憶します。
例えば、危険な目にあって
「怖い!」と感情が動いた時、
その情報を記憶しておくことで
同じ危険な目に合わなくてすむため、
脳にこの機能が備わっています。
よって、覚えたい英単語と感情を
セットにしてインプットすると、
1回で記憶できることがあります。
学校の教科書の物語が楽しいもので、
それとセットで英単語を覚えられれば
よいのですが、教科書の物語が楽しい
ということはあまりないと思います。
そこで、英単語と感情を
セットでインプットするために、
覚えたい英単語を使って面白いや
ありえないなど、感情が動く英文を
自分で作るという覚え方があります。
例えば、覚えたい英単語がcat「猫」、
draw「描く」、house「家」の場合、
Cat draw house.
「猫が、家(の絵)を描く。」
といったようにありえないなど、
何でもいいので感情が動く英文を
自分で作ってみます。
感情が大きく動けば動くほど
1回で英単語を覚えられるので、
実際にありえない状況の英文を作り
感情を大きく動かすことがコツです。
ここまでお伝えしたことを実践すると
かなり覚えやすくなると思いますが、
もう一つ以下も行うとさらに効率よく
英単語を覚えることができます。
それは、一つ前に解説したように
関連性のある英単語をグループ化し、
その英単語を使って感情が動くような
面白い英文を作ることです。
例えば、グループ化した英単語が
dogやcat、pigなどの動物関係なら、
以下のようなありえなくて「ぷっ」と
吹いてしまうような英文を作ります。
The dog ate the cat on a pig.
「その犬は、豚の上でその猫を食べた。」
記憶術でも推奨されている覚え方なので、
テスト前日に一夜漬けで英単語を覚える
時にぜひ試してください。
書くと記憶されやすくなる
脳には右脳と左脳があり、
右脳と左脳を繋いでいる
脳梁(のうりょう)を鍛えると
学習効果を上げることができます。
そして、英単語のスペルを書くと
右脳と左脳の間で情報の伝達がされ、
脳梁が使われる(鍛えられる)ので
英単語を覚えやすくなります。
幼稚園や保育園でひらがなを書いたり
小学校で漢字の書き取りをするのは、
宿題は嫌々やっていたかもしれませんが
実は理にかなった言葉の覚え方なのです。
そこで、ただ英単語の書き取りを
するだけでも効果はあるのですが、
この上で解説した英単語を使って
感情を動かす英文を作る覚え方は
紙に書いて行うとさらに効果的です。
英単語を紙に書いていても
面白くないと感じる方には、
特にこの覚え方はお勧めです。
以下は、その理由です。
面白くないなど、不快に感じると
脳のパフォーマンスが落ちるので、
面白くないことを頑張ったとしても
結果は得られにくくなります。
逆に、楽しいと感じたり快の状態で
脳のパフォーマンスは上がるので、
できるだけ楽しいと感じるようにする
ということもポイントです。
よって、覚えたい英単語を使って
面白い英文を作るゲームの感覚で、
英文を作って紙に書くようにすると
英単語を覚えやすくなります。
ただ、英文を作るのに時間がかかって
逆に不快な状態になってしまう場合は、
英単語を書くだけでも効果があるので
無理して英文を作る必要はありません。
音読すると記憶されやすい
書くと右脳と左脳を繋いでいる
脳梁(のうりょう)が鍛えられ、
英単語を覚えやすくなりますが、
声に出して音読することでも
脳梁が使われて鍛えられるので、
英単語を覚えやすくなります。
よって、目て見て覚えるだけでなく、
その英単語を声に出して音読すると
一夜漬けで覚えやすくなります。
また、感情を動かす英文を作って
紙に書くと覚えやすくなることを
この上のパートでお伝えしましたが、
作って紙に書いた英文を音読すると
さらに早く英単語を記憶できます。
英文を作るのが大変な場合、
英単語を紙に書く→音読する
ということを行うだけでも、
目で見て覚えるだけよりはるかに
効率よく英単語を一夜漬けで覚える
ことが可能になります。
英単語を覚えるタイミング
エビングハウスの忘却曲線より、
20分後に42%、
1時間後に56%、
1日後には74%
のことを忘れてしまいます。
これより、1度インプットした
英単語を脳に定着させるためには、
1時間以内に再度インプットした
ほうがよいということになります。
よって、英単語を覚えるために
効率の良いインプットの方法は、
以下の3ステップになります。
まずは覚える英単語を1度全部見る、
(目で英単語と意味を確認する)
そして、その英単語を全て紙に書く、
(書く回数は1回ずつでよいが、
英単語の意味を確認しながら書く)
最後に、その英単語を音読する、
(音読するは1回ずつでよいが、
英単語の意味を確認しながら言う)
これは一夜漬けする日に行いますが、
寝る前から逆算して3ステップを行うと
さらに効率よく英単語を覚えられます。
書く回数や音読する回数は最低1回で、
時間があれば複数回行いましょう。
一夜漬けで徹夜は効果なし
一夜漬けで英単語などを覚える時、
記憶の整理は睡眠中に行われるので
徹夜をするのは絶対にダメです。
そもそも徹夜をすると眠いので、
テストに集中できなくなります。
それではどの位寝ればよいかですが、
記憶の整理には平均6時間の睡眠が
必要だと言われています。
よって、人によって差がありますが、
6時間位は寝る必要があります。
また、記憶の整理をするためには
同じ時間に寝て起きると良いので、
いつもと変わらない生活をするのが
一番良いということになります。
このことからも睡眠時間を削って
努力してもムダな努力になるので、
これまでお伝えしてきた覚え方を
実践して正しい努力をしましょう。
そして、記憶の整理を行う時に
寝る直前にインプットされた情報
から優先的に処理されていくので、
この上のパートでお伝えした
以下のインプットの3ステップを
寝る前から逆算して行いましょう。
まずは覚える英単語を1度全部見る、
(目で英単語と意味を確認する)
そして、その英単語を全て紙に書く、
(書く回数は1回ずつでよいが、
英単語の意味を確認しながら書く)
最後に、その英単語を音読する、
(音読するは1回ずつでよいが、
英単語の意味を確認しながら言う)
そして、朝起きてからテストまでに
もう一度この3ステップを行うと、
万全の状態で臨むことができます。
朝この3ステップ全てできない場合は
英単語と意味を確認して音読するなど、
1ステップでも行うと効果的です。
英単語の書き取りテストの場合は、
時間はかかりますが意味を確認して
英単語を書くことをお勧めします。
家を出る前に1回ずつでも書いて、
通学中に目で見て確認することを
繰り返すと良いと思います。
そして、学校に着いたら意味を確認し、
1回ずつでも音読できたら最高です。
英単語を長期記憶にする覚え方
脳の特性は誰でも同じなので、
ここまでお伝えしてきたことを
しっかり行って頂ければ誰でも
効果的な一夜漬けができます。
ただ、最初にもお伝えしましたが、
これはあくまで翌日の英単語テスト
などを乗り切るための覚え方であり、
長期記憶にする方法ではありません。
そこで、英単語を長期記憶にする
脳科学的に効果的な覚え方について
以下で詳しく解説しています。